マルキ木工所 | 代表

鈴木喜裕 氏

なぜ法人化をしようと思ったのですか

これは挑戦ですね。今後の展望として、私の意思を継ぐプロフェッショナル人財を育てていきたいと考えたのがきっかけです。
私たちの仕事は、決して楽ではないし、様々な技術の引き出しを持つまでに10年以上かかります。そういった意味では、成長するまでの忍耐力も大切です。
法人化し、働きやすい労務整備を整えることで、従業員が長く働いてもらえるための地づくりをしたかったんです。

どのような信念・想いで事業を展開していますか

信念は、「他の人とは違うモノづくりをすること」です。誰でも作れるモノづくりではなく、「この技術はうちでしかできないんだよ」といった強みを自信持って言えることが大事だと思います。
例えば、お寺の仕事をやった際、「魂が入っていていいね。自分もそれが欲しい。」と言っていただけました。お寺の住職は、数多くのいいモノを見ている方が多いです。そういった方々に評価してもらえるのは最高ですね。
見る人が見て、ちょっとでも違う部分を感じてくれる。そういったモノを今後も作っていきたいです。

マルキ木工所で働く魅力や価値を教えてください

日本にも多くの木工の伝統技術がありますが、それらを引き継ぎ、受け継いでいくのが木工職人の魅力の1つでもあります。お客様に使ってもらうことを考えながら、丹精込めて丁寧に作る。人が家に住む限り、木工製品がなくなることはありません。
厳しい世界ではありますが、自分の技術1つで生きていくことができるということは、この業界で働くやりがいでもあります。

社長自身が仕事上で大切にしていることはありますか

絶対に品物には手を抜かず、お客様のニーズに聞く耳を持って、自分の持っている知識でもってお応えすることを大切にしています。
プロとして専門分野に関してお応えするのは当然です。答えに困ったとしても最善の改善策をご提案します。プロとして、これはできませんとは絶対に言いません。

どのような教育・成長機会がありますか

まずは見習いとして、機械の操作方法から学んでもらいます。機会の操作を1つ間違えれば大けがに繋がるからです。その後は、私が直接技術を教えながら1~2年かけて簡単なモノを作って納められるようにしていきます。その後は日々の積み重ねですね。
ちょっとした収まりをどうしたらきれいに出来るかなどは、やはり経験に勝るものはありません。
経験を積めば積むほど、自分の引き出しは増えていきますし、お客様の要望に応えられるようになっていきます。
見習い期間の相場は会社ごとによって違い、線引きも難しいですが、多様な引き出しを出せるようになるには10年、15年経たないとなれないですね。

これから業界にチャレンジする若者へメッセージ

若い方がすんなり入ってこられる業界にしていきたいです。
今は、「職人になりたい人」や「手に職が欲しい」と考える人は少ないと思いますが、将来独立が可能ということであれば増えていくのではないかと思っています。
どうやったら若者が夢見られるかを真剣に考えないと、建具屋はなくなってしまうのではないかと危機感もあります。なので、若い方が入社したら惜しみなく技術を伝えて、多くの経験を積ませてあげたいですね。